治療費や慰謝料は全体の一部
被害者は治療で大変だと思いますが、しばらくしたら損害賠償請求をせねばなりません。
その時までに交通事故損害賠償の全体像を理解しておきましょう。
何にも知らなくて相手の保険会社のいいなりで示談書に判をつくのは最悪のパターンです。
損害費目の種類
交通事故損害は下表のように多数の費目で構成されます。
保険会社が治療費を打ち切ってくると治療費のことだけで頭がいっぱいになったりします。
しかし、そんなものは全体のごく一部に過ぎないのです。
全体をしっかり押さえて、費目を一つずつ理詰めに交渉していかないと、安い保険金で済まされてしまいます。
傷害(ケガ)損害 |
後遺障害損害 |
死亡損害 |
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受け取れる保険金
全快した場合(※) | 傷害損害の賠償金のみ |
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後遺障害が残った場合 | 傷害損害+後遺障害損害の賠償金 |
治療の末、死亡した場合 | 傷害損害+死亡損害の賠償金 |
※症状が残っていても後遺障害等級の認定が受けられなければ、全快と同じ扱いになります。
損害の確定時期
上記の損害はどれも、全快・症状固定・死亡のどれかが起きた後で確定が可能になります。
確定するというのは、金額がいくらになるかはっきりするという意味です。
症状固定とは、これ以上治療を続けてもよくならない段階に達したと医師が診断することです。
上の3つのいずれかが起きると治療が終了し、治療費や休業損害が確定します。
症状固定後に後遺障害等級の申請が可能になり、後遺障害損害も確定します。
損害が確定してはじめて請求が可能になります。
保険会社に正式に損害賠償請求(本請求)するのは、退院や葬儀の後なのです。
入院中の治療費支払いは単なる内払いで、本請求の時に清算します。