【刑事罰の概要|交通事故加害者の情報】

現在は自動車運転死傷行為処罰法

交通事故で人を死傷させた場合の現在の刑事罰について紹介します。

 

刑事罰が下される場合

交通事故の加害者は、行政責任・民事責任・刑事責任の3つの責任を負います。

 

行政責任とは、免許停止とか反則金のことです。

 

民事責任とは損害賠償の事で、保険と関わりが深いです。

 

そして、最後の刑事責任は、罰金・禁固・懲役などのことです。

 

基本的に刑事罰が下されるのは、死傷者が出た場合だけで、物損事故は対象外です。

 

ただし、人身事故でなくとも飲酒運転など重大な違反がある場合は、道交法による罰金・禁固・懲役があります。

 

また、他人の建造物を損壊した場合は、道交法第116条「過失建造物損壊罪」で責任が問われます。

 

自動車運転死傷行為処罰法の成立

自動車事故の加害者は、かつては刑法の刑法の業務上過失死傷罪が適用されていました。

 

近年になって悪質な運転による重大事故が増加し、この法では罰則が軽すぎることが問題として浮上。

 

2001年に刑法の中に危険運転致死傷罪が作られ、重い罰則が設けられました。

 

しかし、別の問題が発生して、改正が繰り返された後、整理された別の法律ができました。

 

2013年にできた自動車運転死傷行為処罰法です。

 

これに伴い、交通事故加害者の処罰に関する法律は刑法から削除されました。

 

この経緯を詳しく知りたい人は「危険運転致死傷罪とは?」のページを読んでください。

 

法が適用される乗り物

自動車運転死傷行為処罰法が適用される乗り物は、4輪車だけでなく、バイクや原付も含まれます。

 

自転車は含まれません。

 

旧法では4輪車だけが対象でしたが、その後にバイク・原付にも拡大され、新法でも継承されました。

 

自動車運転死傷行為処罰法の内容

交通事故加害者の刑事罰に関する現在の法律は、刑法とは独立の「自動車運転死傷行為処罰法」です。

 

自動車運転死傷行為処罰法のの犯罪類型
危険運転致死傷罪
  • アルコールや薬物を服用、ことさらな信号無視、その他の危険な運転人を死傷させた場合の罪
  • 2001年成立の危険運転致死傷罪の流れを継承・改善した内容
  • この罪の下に細かい犯罪類型が複数ある
発覚免脱罪
  • アルコールや薬物の血中濃度を下げる等の証拠隠滅行為の罪
  • いわゆる「逃げ得」を罰するために作られた
  • ひき逃げの場合は救護義務違反も問われ、併合罪になる
過失運転致死傷罪
  • 危険で重大な違反がない、過失による死傷の場合の罪
  • 刑法の旧規定(第211条の2)に自動車運転過失致死傷罪を継承した内容
  • 傷害が軽い時は情状により免除することが許されているが、軽ければ必ず免除されるわけではない

 

無免許運転による加重

上記の犯罪類型に無免許という条件が加わると、罪がより重くなる(加重)規定になっています。

 

危険運転致死傷罪の細かい犯罪類型
酩酊運転致死傷・薬物運転致死傷 アルコールや薬物の影響で正常な運転が困難な状態で運転した時
準酩酊運転致死傷・準薬物運転致死傷 血中濃度が低くてもアルコールや薬物の影響下だった場合
病気運転致死傷 てんかん・精神病・低血糖症など、意識喪失などが起こる病気を承知で運転した場合
制御困難運転致死傷 大幅なスピード違反や故意のドリフト走行・スピンターンなど
未熟運転致死傷 単に無免許というだけでなく、十分な運転技能がないのに運転した場合
妨害運転致死傷 故意の割り込み・幅寄せ・進路変更等をした場合
信号無視運転致死傷

赤信号を殊更に無視し、相当な速度で運転した場合
見落とし・誤認・信号の変わり目で進入してしまった場合などは含まれない

通行禁止道路運転致死傷 一方通行の逆走など、自動車の通行が禁止されている場所を故意に走行した場合

 

自動車運転死傷行為処罰法の罰則

犯罪類型

一般

無免許の場合

危険運転致死罪

1年以上の有期懲役

同左

同上(準酩酊・準薬物・病気運転)

15年以下の懲役

6月以上の有期懲役

危険運転致傷罪

15年以下の懲役

6月以上の有期懲役

同上(未熟運転)

15年以下の懲役

同左

同上(準酩酊・準薬物・病気運転)

12年以下の懲役

15年以下の懲役

発覚免脱罪

12年以下の懲役

15年以下の懲役

過失運転致死傷罪

7年以下の懲役もしくは禁錮、または100万円以下の罰金

10年以下の懲役

 

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