あきらめるのは早い
加害者が保険に入っていなかったり、ひき逃げされて犯人が不明の場合。
被害者は泣き寝入りするしかない?
いいえ、そんなことはありません。
そういう場合にできることをまとめました。
加害者の車が任意保険に未加入の場合
任意保険に入るのは運転者の当然の社会的責任と思いますが、現実には15%ほどの車が未加入だといいます。
この場合、支払いが期待できるのは自賠責保険だけになります。
金額水準は低くて、損害をフルにカバーするには不足することが多いですが、何もないよりましです。
ドライバーが逃げて行方不明になっていても、加害車両が特定されていれば、被害者が直接請求することが可能です。
(自賠責保険の加害者請求)
自賠責保険で足りない分は加害者本人に請求することが可能です。
しかし、任意保険代をケチるような人は何も資産がなく、収入も低いことが多いので、実際に支払ってもらうことは困難です。
自賠責保険に未加入、あるいはひき逃げの場合
車検切れで自賠責にすら入っていない車から被害を受けることもあります。
こうした場合には効く保険は何もありません。
そんな車を運転する人は、資産もまともな収入もなく、支払い能力がないのが普通です。
あるいは、ひき逃げされて犯人が捕まっていない場合も同様です。
こうした場合は、いよいよ泣き寝入りしかないのでしょうか?
いいえ、まだ「政府の保障事業」というものがあります。
これは自賠責・任意保険のいずれの支払いも受けられない被害者を救済する目的の政府の事業です。
主要な保険会社や共済組合が窓口になっています。
金額水準は自賠責保険とほぼ同じですが、審査ははるかに厳しいです。
例えば自賠責なら7割未満の過失割合では減額がありませんが、政府の保障事業では過失割合通りに減額されます。
ちなみに政府は被害者に支払いをした後、加害者に求償します。
実際に回収できるかどうかはともかく、政府が肩代わりしたままではおかしいからです。